皆さん、こんにちは。

 

「おたくの会社って残業代出るんですか?」
「うちはみなし残業代が給与の中に組み込まれてるんだよ」
この、「みなし残業」という言葉をご存知でしょうか?
その名の通り、お給料に残業代があらかじめ組み込まれている賃金体系のことを言います。
近頃では「みなし残業」を採用する企業が増えてきています。
今回は、この制度のメリットとデメリットについてご紹介したいと思います。

 

◆みなし残業の概要
「みなし労働時間制(みなし残業)」を採用している企業は、月額給与に一定時間分の残業代が組み込まれています。
このため、時間外労働に対する割増賃金、深夜割増賃金、休日出勤などに対する割増賃金を支給しないというのが一般的なのです。
みなし残業として決められた一定時間を超えた範囲での残業にのみ手当がつくようになっています。
例を挙げるならば、月給の中に月20時間分の残業代が組み込まれているとすると、月の残業時間が20時間以内であれば残業手当は支払われません。

 

◆みなし残業のメリット
企業側:
みなし残業で予め設定した残業の範囲で労働者の業務が終われば、残業代を支払う必要がなくなる。
労働者側:
たとえ残業時間が少なくても一定の残業代が保証されているということ。
ノルマを時間内にこなせる労働者より、こなせなかった労働者の給料が多くなるという不公平さを解消できる。

 

◆みなし残業のデメリット
企業側:
運用を間違えると労働基準法に抵触してしまい、罰金の対象となりうる。
労働者側:
実際の残業時間はみなし労働時間よりも大幅に多く、残業代も支払われないブラック企業に勤めてしまうということがありうる。

 

◆みなし労働時間制を採用している企業は増えている?
日本は一昔前までブルーカラー(工場の工員など生産労働者)がほとんどでした。
しかし、文明の発展とともにIT産業が普及するようになり、現在ではホワイトカラー(事務系の仕事をする人、スーツで仕事をする人)の労働者の割合が増えてきています。
その流れと同時に、労働時間で見る賃金設定にも少しずつ無理が生じ始めたのです。
デスクワークを中心とするホワイトカラーの職種には、労働時間の長さでなくて出来高のような“成果”をもって報酬が決まるというシステムのほうが理に適っている場合が多いです。
このため、現在では少しずつ「みなし労働時間制」を採用する企業が増えてきているというのが原因としてあげられます。

 

◆みなし残業=ブラック企業?必ずしもそうではない
みなし残業制を使用している会社はブラック企業だと言われがちですが、必ずしもそうではないのです。
労働基準法で定められた内容を満たしているのであればみなし残業も違法ではありません。
それでは、ブラック企業にありがちな、チェックすべきポイントについて次に記載します。
1、みなし残業の範囲を超えた残業で賃金は支払われるか確認しよう!
残業代は固定されていて、それ以上の残業代は一切支払わないということであれば、ブラック企業です。
通常であれば、企業はみなし残業の範囲を超えた残業が発生した場合、その分についての残業代を支払う必要があります。
2、労働基準法の最低賃金を上回っているか計算しよう!
例えば、東京都の最低賃金が907円です(2016年11月時点)。
みなし労働時間制を採用している企業が、20時間のみなし残業と設定したとします。
労働基準法で決められている一か月の所定労働日数は23日、一日の所定労働時間は8時間ですので、
・基本給は907円×8時間×23日=166,888円
・みなし残業代は907円×1.25×20時間=22,680円
・1と2の合計で最低賃金を算出します。166,888円+22,680円=189,568円
つまり、東京都の会社が20時間のみなし残業制を導入した場合、189,568円を下回ると労働基準法違反に触れてしまう可能性が非常に高いということになります。
東京都の会社を探している労働者は、上記より下回る賃金のみなし残業を採用している会社には入らない方がよいでしょう。
また、企業側もこの点は十分に注意する必要があります。

 

◆まとめ
以上、みなし残業についてのメリットデメリットについてのご紹介でした。
労働基準法に抵触せず、求職者に興味を持ってもらうために、しっかりとした就業規則を作成したいという企業様、是非「社労士相談所」へお気軽にご相談ください。
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